「ダィテス領攻防記」を読んで。

読んだ本にまつわる話

最終巻なんだよなあ。

本屋さんで目的の漫画を見つけた時、わたしはしみじみと感慨深くなりました。何年むかしになるのかな。爽快なストーリーにワクワクして読んでいた小説の、著者さんが亡くなられてとても心が痛くなったときは。

当時、すでにコミカライズが始まっていて、それも合わせて楽しんでいたんですよね。だからコミカライズも終わってしまうのかな、と、ものすごく悲しく感じた記憶があります。

でも編集部さんと漫画家さんのおかげで、とても素敵な感じに漫画が進んでくれて、最終巻が今年の7月に発売になったのでした。とてもとても嬉しくて購入したのですよ。

「ダィテス領攻防記」とは



そもそもダィテス領攻防記とは、2013年にアルファポリスより発売された小説です。現代日本の腐女子が異世界転生して知識チートで領地改革していたところ、廃嫡された王太子が主人公の娘婿としてやってくるところから始まった物語。

この小説の魅力はね、読み終えるととにかく爽快な気持ちになるところ! そもそも主人公が領地改革している理由は、貧しかった領地を放っておけないという面もありますが、それ以上に愛すべきBL文化を広めたかったから。だから王太子にBL的に美味しい副官がいても笑って受け入れるし、友人の侍女と一緒に楽しんじゃいます。そういうところがね、BL文化を愛する人物として筋が通ってるなあ、とわたしは感心したのですよ。

でも旦那さまとなった王太子との間に情がないかといえばそんなことはなく、だんだんと絆が育っていく過程が見ていて面白い。一巻の時点で、王太子は新しい戦いに向かうようにと命令されるのですが、そのとき、主人公が見せた涙にわたしはキュンと胸を掴まれました。BL愛好と真っ当な恋愛、それが健全な形で両立している物語なのですね。

色々なピンチが訪れますけれど、主人公の知識チートでなんとかしてしまうところも、安心して読めるところ。本当に悲惨な状況にならない、ハッピーな展開が繰り広げられます。著者さんは歴史などにも造詣が深い方だから、「ここでその策を持ってくるか!」みたいな感じでドッキリさせてくれるから、とっても楽しい。安心して楽しめる物語です。

コミック版を購入してます。


そしてこの物語のコミカライズは、アルファポリスのアプリから連載が始まりました。途中、漫画家さんの産休による休載が入りましたけれど、初めから終わりまで綺麗な絵柄で、なおかつテンションの高い漫画が読むことができて、とっても嬉しかったです。

とても読み応えのある小説を漫画化するのは本当に大変だったと想像するのですが、さすがなのです。原作の味を活かしながらオリジナル要素も組み込んで、とっても魅力的に描いてくださいました。きっとこの漫画、原作者さんが読んでいたら、とてもとてもしあわせに感じる漫画だったのではないかしら。

わずか六巻で最終巻になってしまったことが、とても残念ですけれども、物語的にも綺麗に決着がついていて、楽しんできたファンとして「ありがとうございます〜」と言いたくなる漫画となっています。

続きを読みたくてたまらなくなりますが、……でも原作にない部分を書き足すわけにもいかないから、きっとこの形での完結がベストなのでしょうね。

おわりに。

楽しみに追いかけてきた漫画が連載終了して、とても寂しい気持ちになっています。

原作が未完で終わってしまった悲しさが、この漫画の連載で慰められていたんだなあと実感しています。繰り返しになりますが、漫画の形に不満はないのですよ? でももっとたくさんのエピソードがあったんだろうなあと想像してしまえば、本当に残念です。

でもきっと関係者の方々の無念はわたし以上でしょう。

出来上がった漫画はとても素晴らしいものです。原作だってとても爽快で筋の通った面白さがある物語でした。今はただ、その面白さに乾杯して、原作者さまが安らかでありますように、と祈るばかりです。

素敵な物語、楽しい漫画を本当にありがとうございました。

 

 

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